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建設業許可を取得したい方に、ざっくりとした概要を建設業許可お役立ち情報としてお伝えします。
ご参考になさってください(詳細は管轄の許可行政庁にてお尋ねください)。
建設業許可の種類は工事の専門性等から29業種に分けられており、営業しようとする業種ごとに許可を取得しなければなりません。
29の建設工事の種類は、2つの総合工事と27の専門工事から成っています。
この記事では、専門工事の一つである鋼構造物工事業の建設業許可を取るにはどうすればいいのかをみていきましょう!
鋼構造物工事の内容は、形鋼、鋼板などの鋼材の加工または組立てにより工作物を築造する工事、というものになります。
鋼材の加工や組み立てにより工作物を建設するため難易度が高く、指定建設業とされています。
鉄骨工事については、材料の鉄骨を製作、加工から組み立てまで一貫して請け負う工事をいいます。
既製品を現場で組み立てるだけ、固定作業など設置するだけなら、とび土工工事とみなされます。
鋼構造物工事の例示として、鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事などが挙げられますね。
溶接工事においては判断は難しいですが、技術レベルの高い工事は鋼構造物工事、技術レベルの低めの工事はとび土工工事業とみなされることが多いでしょう。
東京都では鋼構造物工事業の実務経験の確認をする際に、自社工場等で鉄骨の製作から加工、組み立てまで行われているか等かなり細かく確認されますので、鋼構造物工事業の許可取得を自社の実務経験で証明する場合は特に注意が必要になります。
(詳しくは、管轄の行政庁または行政書士にお問い合わせください)
建設業許可を取るためには、経営業務の管理責任者と専任技術者が必要でしたね。
<鋼構造物工事業における経営業務管理責任者の要件>
①か②のいずれか
①鋼構造物工事業を5年以上経営していること
②鋼構造物工事業以外の建設工事業を6年以上経営していること
※個人事業主としての経験も含みます。
※詳しくは、経営業務管理責任者(経管)とは をご覧ください。
<鋼構造物工事業における専任技術者の要件>
①~③のいずれか
① いずれかの資格をお持ちの方
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士 土木
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士 躯体
・1級建築士
・技術士 建設「鋼構造及びコンクリート」 総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技能検定(技能士)鉄工(選択科目 「製罐作業」又は「構造物鉄工」・製罐
・登録橋梁基幹技能者
※技能検定の1級であれば資格さえあればOKですが、2級であれば合格後3年以上(平成16年4月1日以前の合格者は合格後1年以上)の実務経験が別途必要になります。
上にいくつかの資格名が並んでいますが、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士または1級建築士、技術士をお持ちの方は、特定建設業許可の専任技術者になることも可能になります。
※なお、鋼構造物工事業は「指定建設業」に該当する工事業種のため、指導監督的実務経験により特定建設業許可の専任技術者になることはできません。
②指定学科を卒業し、鋼構造物工事業に関する実務経験がある方
指定学科:土木工学、建築学または機械工学に関する学科
建設業許可における専任技術者の学歴(指定学科)<土木工学に関する学科>
建設業許可における専任技術者の学歴(指定学科)<建築学に関する学科>
建設業許可における専任技術者の学歴(指定学科)<機械工学に関する学科>
高校もしくは中等教育学校の指定学科卒業後5年以上の実務経験
大学・高等専門学校の指定学科卒業後3年以上の実務経験
専修学校の指定学科を卒業後5年以上の実務経験
専修学校の専門士又は高度専門士を称するもので指定学科を卒業後3年以上の実務経験、となります。
③10年以上の実務経験がある方
鋼構造物工事業に係る建設工事の実務経験が10年以上
これらの実務経験を証明することはなかなか大変でして、皆さんが一番ご苦労されるところになります。
※詳しくは、一都三県でこんなに違う!専任技術者(専技)の確認資料 をご覧ください。
そして、法人、役員等、個人事業主、支配人等の使用人に誠実性が求められていますね。
工事の契約やその履行について不正や不誠実な行為をするような不良業者を、建設業から排除しましょうという趣旨になります。
不正な行為とは、請負契約の締結または履行について、詐欺や脅迫、横領、文書偽造などの法律に違反する行為がこれに当たります。
不誠実な行為とは、工事内容や工期などについて請負契約に違反する行為をいいます。
建設業許可を申請する法人、役員等、個人事業主、支配人や営業所の代表者が建築士法や宅地建物取引業法等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者はこの基準を満たさない者として取り扱われることになります。
人に関する要件以外にも、以下の様にいくつかの要件が必要になりますね。
<財産の要件>
一般建設業許可では、次の①か②のどちらかが必要になります。
①自己資本が500万円以上あること。
②500万円以上の資金調達能力があること。
特定建設業許可では、次の①~④のすべてが必要になります。
①欠損の額が資本金の20%を超えないこと。
②流動比率が75%以上であること。
③資本金が2,000万円以上あること。
④自己資本が4,000万円以上あること。
詳しくは、財産要件について、をご参照ください。
<営業所について>
建設業許可の要件である営業所とは、本店、支店、又は常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。
詳しくは、営業所について、をご参照ください。
<欠格要件等について>
法人の役員や個人事業主等が、法律行為に制限のある者ではないこと、
建設業の営業を禁止されている者ではないこと、
反社会性がある者(暴力団など)ではないこと、
一定の罪を犯した者ではないこと、などの欠格要件に該当しないことが求められています。
他の要件を全てクリアしていたとしても、これら欠格要件に該当する人が役員等にいる場合は許可を取得することができませんし、既に許可を受けている場合に欠格要件に該当すると許可取消処分を受けてしまうので、しっかり把握しておきたいところになりますね。
上に挙げたこれらの要件が全てそろうと、晴れて鋼構造物工事業の建設業許可が取得できることになります。
参考までに、鋼構造物工事業と他の業種との「類似した建設工事の区分について」の国交省が示す考え方について、以下に例示を記します。
① 『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」になります。
② ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当することになります。
③ 『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」になります。
上の記事は、ざっくりと重要部分についてのみ書きました。
建設業許可を申請する都道府県や皆様の置かれている状況によっては細かいところでは色々と違いなどもあることでしょう。
特にどの業種で建設業許可を取るかはかなり重要で、ご自身の希望する工事業種で許可が取れるのかどうか。
また、どのような資料を準備していけば希望の許可を取れるのか、悩ましいところもあると思います。
希望する工事業種での建設業許可取得を確実なものにするためにも、管轄の許可行政庁や建設業許可に詳しい行政書士に早めにご相談されることをおすすめします。